大相撲で引退を発表していた旭川市出身の元幕内・旭大星(本名・大串拓也、35)が1日、都内のホテルで断髪式を行った。照ノ富士親方(元横綱)、小結・高安(田子ノ浦)ら約400人がはさみを入れ、師匠の大島親方(元関脇・旭天鵬)が止めばさみ。

大いちょうに別れを告げたが、最後まで笑顔で「小さいときから泣くなと言われて育ってきたので、涙が出なかったのかな」と振り返った。

 旭川大高(現旭川志峯)時代は柔道部で、入門前後にはフランス人監督により映画化され話題になった。08年初場所で初土俵を踏み、14年名古屋場所で新十両。新入幕だった18年夏場所に10勝5敗で敢闘賞を受賞し、最高位は同年名古屋場所の西前頭8枚目だった。その後は両膝のけがなどに苦しみ、22年九州場所では序ノ口まで転落。今年1月に引退を決めた。「最高の力士人生。これ以上のものはない」と胸を張った。

 現在は都内の油そば店で修行中。いずれは店主になることを夢見ている。「大相撲で学んだことは人とのつながり。今後も貫き通したい」。

3人の子どもは全て男児で「全員相撲取りにしたい。誰か(新横綱の)大の里関みたいにならないかな」と笑った。(山田 豊)

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